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若者の建築離れを考える前に現状を客観的に理解したい。

先週のメルマガで、建築業界に関する課題を取り上げさせて頂きました。課題改善のアイデアを送ってくれた方もおられましたし、お電話を頂いた方もありました。

何とか改善が出来ればと思うのですが、今回は業界の現状を整理したいと思います。

一般社団法人日本建設業連合会が、建設業ハンドブック2021を発行しております。
https://www.nikkenren.com/publication/handbook.html

こちらの資料から気になるデータをご紹介致します。

建設業の就業者数は、2020年で492万人。うち、技能者は321万人。1997年をピークに減少しています。
https://gyazo.com/4549a8daa64afa5a0f086709301000d7

年齢別の構成では、55歳以上の就業者は36%、一方29歳以下は約12%となっており、高齢化と若者の不足が鮮明になっています。
https://gyazo.com/29b30c923cc59ddc575ec2228049e9c9

一方、新規学卒者は2009年に2.9万人を底に増加に転じており、2014年以降は4万人で推移しています。この数は2000年初頭と同じです。
https://gyazo.com/8eb63aab89f804bd369d882a922b2d76

以上のようなデータから、下記のようなことが考えられます。
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高卒・大卒者の建築業界への就職者数は減ってはいない。しかし、29歳以下の就業者が減少していることから、就職をして数年以内に退職をする人が多いと言える。建築業界に夢を持っていたけれど、イメージと違い、辛さが先行し、やりがいを感じることができずに退職をしていると考えられる。
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「今の若者は、親から怒られることもなく育っているから、我慢が足りないんよ!」と思う方もおられるでしょうが、若者の就業者の減少は、将来に大きな問題となりますので、どうすれば改善できるかを考えていきたいと思います。

国土交通省は、3K(きつい、汚い、危険)からのイメージ脱却をするために、新3Kとして「給料」「休日」「希望」を掲げました。
https://www.mlit.go.jp/tec/content/001368311.pdf

給料が高いと嬉しいですし、休日が多いのも嬉しいと思います(希望という点は、ちょっとイメージしづらいですが・・・)。

しかし、仮にこれらが改善されたとして、若者の就業者の減少に歯止めがかかるのでしょうか?私は疑問です。

この点については、色んな方にお話しを伺いながら検討していきたいと思いますが、ある方が「若者の話をちゃんと聞いてやれるかがポイントかもね」と言われており、興味深い内容だったのでシェアしたいと思います。

「若者から相談があっても、上司や先輩はすぐに答えを言ってしまう。何に悩んでいるかを聞き、その子が自分で答えを見つけられるように導いていければ、いいのだけど、その余裕がないよね。今は効率が求められる時代だし、上司や先輩もノルマを達成することに必死で、若者の話をじっくり聞く時間がなくなっている。

自分が駆け出しの頃の上司を思い返すと、確かにじっくり話を聞いてくれていたなあと感じる。それに、こんな人になりたいなあとも思ったから、頑張って仕事をしていたと思うね。」

あくまで一意見ですが、つまりはコミュニケーションの問題と言えると思います。しかし、コミュニケーションは奥が深い。相手に言ったけど、伝わっているかは別の話です。

このコミュニケーションの課題を改善できれば、若者の就業者数の減少は止まると思いますが、いかがでしょうか?まだまだ、研究は続きます。

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