銭湯のマーケティングからリフォームを考える

2023.06.21

ピーク時から1/10に減っている銭湯。ほぼ全ての住宅にお風呂が設置されているので、銭湯のニーズは減っていく中、昭和8年創業の東京都杉並区高円寺にある小杉湯の取り組みが注目されています。

家業である銭湯を継いだ3代目当主の平松佑介さんは、将来的に跡を継ぐことを前提に20代ではやりたいことに取り組みたいとスウェーデンハウスに就職をし、住宅営業を経験。

その後、人事・採用コンサルを行うベンチャー会社を起業。働く中で、実家の銭湯が80年以上も続く価値を感じ、これまでは「継がなきゃ」と思っていたのが、いつの間にか「継ぎたい」と思うようになり、2016年に後を継ぎました。

銭湯はもともと家にお風呂がない方を対象としていたので、現在では斜陽産業です。しかし、2015年頃から「東京銭湯」というWEBメディアが立ち上がり、若い世代で興味を持つ人が増えていることに、平松氏は銭湯の未来に希望を持ったとも言います。

そこで、平松氏が事業を承継して取り組んだのが、小杉湯のファンを増やすこと。

創業当時から変わらぬ重厚な建物、隅々までぴかぴかに磨かれた浴場、やわらかな湯、色鮮やかな壁画。一度でも小杉湯へ来てもらえると、ファンになってもらえる自信はあったそうで、来てもらえるためにどうすべきか?と考えたそうです。

そこで、小杉湯の魅力を伝えるイラストを作りました。イラストは、こちらからご覧いただけますが、柔らかいタッチで、小杉湯の全体像が一目でわかるようになり、多くの方に魅力を伝えられるようになったとのこと。

並行して、「銭湯ぐらし」というプロジェクトを始めました。小杉湯の隣に所有する風呂無しアパートがあったが、そこを取り壊して、平松氏の自宅と小杉湯の施設を作ろうとしました。

しかし、アパートの住人が予定より早くに退去したため、取り壊し予定までの1年間の空白が生まれてしまいました。この期間がもったいないので、小杉湯のファンを対象に、家賃を無料にする代わりに、それぞれがやりたいことを小杉湯で実現してもらえる(=小杉湯に人を呼び込む)人を、銭湯に貼り紙を出して応募を募ったところ、ミュージシャンやデザイナー、編集者などが手を上げたそうです。

1年間の期間限定で、銭湯を会場にしたライブやイベントが続々と実現し、それがSNSで拡散され、ファンが増えていったとのこと。

その後、アパートは取り壊されましたが、小杉湯の施設を作る予定になっていた箇所には、期間限定のプロジェクトに参加した人たちで運営するコワーキングスペースや食堂を備えた施設となりました。

単なる銭湯ではなく、人と関わる関係性を構築する場が自然の流れで出来ているのが、素晴らしいと感じます。

小杉湯に通うことで、なんとなく顔見知りになって他愛もない話をしたり、会話をしなくても目で挨拶をしたりといった程度の関係性が築ける、丁度良い距離感を保てる場所が小杉湯にはあると、平松氏は考えています。

銭湯に通う人は、半径500mくらいの方が大半なので、そういった方々との関係性をどう築くかが重要と言う視点でマーケティングを行っている平松氏の姿勢は、地域密着が基本のリフォームビジネスにも参考になるように思います。

平松氏に関して紹介されているメディアをご紹介しておきますので、ご興味のある方はご覧ください。

「小杉湯」3代目当主・平松佑介。「継がなきゃ」が「継ぎたい」になるまでの36年。

 


 

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