チラシで問い合わせを増やすリフォーム会社の「ターゲット特化」戦略——養殖型チラシとは何か

2026.03.20

① 「チラシはもう古い」と言い切れない理由

WEBやSNS集客が主流になるにつれて、「チラシはコストがかかる割に効果がない」と感じているリフォーム会社・工務店は多いかもしれません。

確かに、無差別に配布するチラシの反響率は下がり続けています。しかし、チラシそのものが時代遅れになったわけではありません。

問題は「どんなチラシを、誰に、どう届けるか」の設計です。

この記事では、売上5億円から9億円へと拡大したマンションリフォーム専門会社の事例をもとに、「ターゲットを絞ったチラシ」が今なぜ有効なのかを解説します。


② 「養殖型チラシ」とは何か——事例から学ぶ

神奈川県を拠点とするマンションリフォーム専門会社が、業界紙に取り上げられました。10年で売上を5億円から9億円に拡大させた、その成長の原動力が「チラシ戦略」だったのです。

この会社の戦略はシンプルです。

  1. ターゲットとするマンションを明確に定める
  2. そのマンションに継続してチラシを折り込む
  3. チラシにはそのマンションで実際に施工した事例を掲載する

自分が住んでいるマンション名が記載されていれば、自然と目が止まります。見覚えのある間取りの写真があれば、「うちも同じくらいできるのか」と具体的にイメージできます。

さらに、設備交換のニーズを刺激するコンテンツや、メーカーごとの商品比較なども掲載。派手さはなくとも、住民が「今すぐ使える情報」として受け取れる構成になっています。

こうして特定のマンション住民を継続的にアプローチし、少しずつ見込み客へと育てていく——このスタイルが「養殖型チラシ」と呼ばれています。

「釣り(新規獲得)」ではなく「養殖(関係の醸成)」。継続的な接触で信頼を積み上げ、検討のタイミングで思い出してもらう戦略です。


③ WEB・SNSとチラシの本質的な違い

「WEBがあればチラシは不要」という考え方は、両者の性質の違いを理解すると変わってきます。

項目WEB・SNSターゲット特化チラシ
集客スタイル受け身(検索・発見を待つ)攻め(こちらから届ける)
効果が出る時期中長期(数ヶ月〜)即時〜中期
ターゲット精度エリア・属性で絞れる建物・棟単位で絞れる
競合との差別化SEO・広告費で競争地域密着・事例の独自性
向いている会社広域対応・EC・情報発信型商圏特化・地域密着型

リフォーム会社・工務店は基本的に「商圏内の問い合わせをいかに増やすか」が勝負です。地域を絞って継続的に情報発信できるチラシは、商圏密着型のビジネスモデルと相性が良い媒体です。

WEB全盛の時代だからこそ、差別化されたチラシは逆に目立ちます。競合他社がチラシをやめているなら、やり続けることがそのまま優位性になります。


④ 「養殖型チラシ」を自社に取り入れる3つのステップ

この戦略は、マンションリフォーム会社だけに使えるものではありません。戸建てや特定エリアに特化したリフォーム会社でも、同じ考え方を応用できます。

● ステップ1:ターゲットエリア・建物を絞る

まず「どこに届けるか」を明確にします。マンションであれば棟単位、戸建てであれば町丁目単位など、できる限り細かく絞ることがポイントです。広く薄く配布するより、狭く深くアプローチする方が認知は積み上がりやすくなります。

● ステップ2:そのエリアの施工事例を掲載する

チラシに掲載する事例は、できるだけ「配布先に近い物件」を選びます。同じマンション・同じ町内での施工事例は、受け取った人に「自分ごと」として感じてもらいやすくなります。事例が蓄積するほど、チラシの説得力が上がっていきます。

● ステップ3:継続して配布し続ける

「養殖型」の本質は継続性です。1回配布して終わりではなく、季節ごと・定期的に同じエリアへ届け続けることで、「この地域のリフォームといえばこの会社」という認知が積み上がります。検討のタイミングで真っ先に思い出してもらうことがゴールです。


⑤ チラシと他の集客手段を組み合わせる

養殖型チラシは単独でも効果がありますが、他の集客手段と組み合わせることでさらに効果が高まります。

  • チラシ × ホームページ:チラシを見た人がHPを検索する。HPに豊富な施工事例があれば、信頼につながり問い合わせへ誘導できます。
  • チラシ × SNS:「インスタグラムで施工事例公開中」と記載することで、フォロワー獲得と接触頻度の増加が同時に狙えます。
  • チラシ × 小冊子・資料請求:チラシを見た方に「詳しい資料をお届けします」と案内することで、見込み客の情報を取得できます。その後のステップメールやフォローにつなげられます。

チラシは「最初の接点をつくる」媒体として最適です。その後の導線を設計しておくことで、チラシ1枚の投資対効果が大きく変わります。


📋 まとめ

  • チラシが古いのではなく「設計のない無差別チラシ」が古い
  • 「養殖型チラシ」はターゲットエリア・建物を絞り、施工事例を掲載して継続配布する戦略
  • WEB・SNSは「受け身」の集客。チラシは「攻め」の集客——商圏密着型ビジネスと相性が良い
  • WEB全盛の今だからこそ、差別化されたチラシは目立ちやすく成果につながりやすい
  • チラシ単体ではなく、HP・SNS・資料請求と組み合わせた導線設計が効果を最大化する

平原充明

この記事を書いた人

平原充明|株式会社エフツー 代表取締役

2010年創業。広島県を拠点にリフォーム会社・工務店専門のマーケティング支援を行う。リフォーム雑誌「HIROSHIMA REFORM」の発行、ポータルサイト・YouTube・インスタグラムの運営、自社イベント「ひろしまリフォームフェス」の開催など、自らメディアを運営しながらクライアントの集客・受注支援を行っている。年間300件以上の相談実績。

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