この記事は「リフォーム戦略設計室」が、広告制作や営業支援の現場で得た気づきをもとにお届けしています。
「伝えた」はずなのに、なぜ伝わらないのか?
「伝える」と「伝わる」は違う。
これは私自身、広告づくりや商談の現場で日々実感していることです。
たとえば、チラシやSNSでしっかりメッセージを発信したのに反響がない。
商談でも手応えを感じたのに、結果的には別の会社に決められてしまった──。
こうした経験、誰にでも一度はあるのではないでしょうか?
それはつまり、「伝えたつもり」でも、お客様には伝わっていなかったからかもしれません。
『伝わるしくみ』という本との再会
そんな課題を考えていた時、ふと自宅の本棚で見つけたのが、
元・電通のコピーライター 山本高史さんが書いた『伝わるしくみ』(マガジンハウス)でした。
広告制作者向けの本ですが、
お客様に「選ばれる言葉」を日々探している私たちにとっても、学びの多い一冊です。
第1章:受け手がすべてを決める
「伝えること」の本質は、「受け手に行動してもらうこと」。
そのためには、自社の価値(ベネフィット)を“受け手の視点”で提示する必要があります。
たとえ「良い提案ができた」と感じても、相手がそう思わなければ意味がありません。
大切なのは、受け手にとってどう映るか?を常に起点にすることだと説かれています。
第2章:伝える力を支える“脳内データベース”
人に何かを伝えるには、引き出し(素材)が必要です。
著者はそれを「脳内経験」と呼び、
日々の出来事を意識的に深掘りし、言語化できる状態で整理しておくことを推奨しています。
これは、営業トーク・ブログ・チラシ制作など、すべての発信に活きる考え方だと感じました。
第3章:アングル×ツリーの法則
「アングル(切り口)」と「ツリー(連想)」を掛け合わせて、発想を広げる手法です。
例:「4月」から連想できる言葉
春/出会い/新生活/花見/花粉症/異動/入学/初任給/暖かさ/桜
それぞれをさらに掘り下げていくと、
100以上の言葉やテーマが生まれ、広告やブログの企画に役立つと紹介されています。
伝えるよりも、“伝わる”を意識する
この本を読み直して改めて実感したのは、
言葉選びも大切ですが、それ以上に「受け手の視点」に立つことが重要ということです。
どれだけ頑張って伝えても、伝わらなければ、反響も受注も生まれません。
相手の心に届いて初めて、言葉には意味がある。
まとめ|広告も営業も「伝わる仕組み」から見直す
日々の広告づくりや営業活動において、
「伝えたはずなのに反応がない」と感じる場面は少なくありません。
そんなときは、伝える側の工夫だけでなく、受け手の気持ちに立ち返ることが大切です。
今回ご紹介した『伝わるしくみ』は、そうした“伝達の仕組み”を見直すきっかけになる一冊です。
言葉の力をもっと味方につけたい方は、ぜひ手に取ってみてください。