新入社員が求める個性の尊重とは?

2023.08.09

リクルートは同社が提供する新入社員研修を受講した2349名に対して意識調査を実施し、この度「新入社員意識調査2023として結果を公表しました。

調査結果のまとめは下記となります。

  1. 働きたい職場の特徴は「お互いに助け合う」(66.4%)がトップ。「お互いに個性を尊重する」(50.7%)が10年前と比較し21.8ポイントUPし過去最高、「アットホーム」(37.3%)は過去最低
  2. 働くうえで大切にしたいことは「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」(48.5%)がトップ。「任された仕事を確実に進めること」(38.9%)が過去最高、「何事も率先して真剣に取り組むこと」(13.8%)が過去最低
  3. 上司に期待することは「相手の意見や考え方に耳を傾けること」(49.5%)がトップ。「一人ひとりに対して丁寧に指導すること」(49.1%)が過去最高、「言うべきことは言い、厳しく指導すること」(17.5%)が過去最低
  4. 仕事をするうえで重視したいことトップ2は「成長」(28.8%)と「貢献」(26.7%) 。「競争」(2.4%)は昨年に続き最下位
  5. 得意なスタンスのトップ2は「協働」(25.9%) と「相手基準」(24.9%)。苦手意識のあるスタンスのトップ2は「試行」(28%)と「自発」(26.6%)
  6. 新入社員時代に身に着けたい力のトップは「社会人としての基本行動」(38.9%)、最下位は「会社の理念や価値観に沿った行動」(0.9%)

個人的に気になったのが、1の「お互いに個性を尊重する」というポイントです。10年前の調査と比較して、20ポイント以上上がっています。

ところで、「個性の尊重」とは何なのでしょうか?正直、私は良く分かっていないのですが、何となく「自分と違う人を認める」といった感じなのかなぁと感じています。

しかし、この言葉からは「私はあなたとは違うので、あなたの言うこと(指示)はできませんが、認めて下さい」というニュアンスを私は感じるので、違和感を覚える言葉です。

そこで、改めて「個性の尊重」について調べていたら、鎌倉女子大学の理事長の言葉が分かりやすいと感じましたので、ご紹介します。

以下、鎌倉女子大学 福井一光理事長 平成17年度学年だより巻頭言「個性尊重の錯覚」より

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父母も教師も、疑いもなく人間には初めからアボガドのタネのような、個性という確たる核が存在しているかのように思い込んでいるが、それは、明らかに錯覚ではないのか。

~中略~
自分の個性というものを初めから解った上で人生を開始した人がいるとしたら、名乗り出てほしいものである。誰も自分の個性や自分の本当の力など知らないうちに人生を歩み始めているのが事実ではないか。むしろ、それまで知らなかったさまざまな知識や事柄や人々に出会い、あるいは自分とは異なるさまざまな感覚や思想に際会し、そうした経験を積む過程の中で、「ああ、自分は、こういう感じ方をする存在なのだ。こういう考え方をする人間なのだ。」と、一歩一歩自分でも知らなかった自分の個性というものに気づくことになるのだし、自分の個性というものも形づくられていくのだと思う。

~中略~
教育によって大化するのが人間なのである。大人の予断をもって、それを個性と性急に断定し、初めから子どもを小さく囲い込んでしまうほど愚かなことはない。食わず嫌いにさせてしまうのではなく、父母や教師の大きな庇護と配慮の中で、子どもにさまざまな可能性に果敢にチャレンジさせてみることこそ大切なことではないのか。

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今の新入社員は学生の頃より、「個性を伸ばす」といった教育を受けてきているので、殊更に「個性」を強調する傾向にありますが、学生だけの経験で個性を決めてしまい、新しいことに挑戦をしないと、自分でも知らなかった個性に気づくことなく人生を終えることになるとも言えます。

なので、新入社員には個性を伸ばすためにも新しいこと、やりたくないことにもどんどん積極的に取り組もうと声をかけてあげたいですね。


 

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