『静かに退職する若者たち』。こちらは書籍のタイトルです。

リフォーム業界でも若手スタッフの離職というのは大きな課題で、何か良い方法がないかと日々考えている中、たまたま日経新聞の広告に掲載されていたので、買ってみました。

気になる箇所、参考になる箇所があると思いましたので、共有させて頂きます。

現在の若者の傾向は、感じよく、そつなく、その場に適した返答をするけれど、決して本音は明かさないし、目立ちたくもない、と著者は感じており、著者は彼らを「いい子症候群」と呼んでいます。

一対一で話すと受け答えはしっかりしているように見えるのですが、自分の意見(本音)は言わず、先頭に立つようなことは絶対にせず、場を乱さないための演技も出来、悪い報告はギリギリまでしないので、「何を考えているか分からない」といった印象を与えるとも言っています。

また、著者は様々なデータやアンケート調査を例に挙げて解説していますが、エン・ジャパンが実施した「理想の上司像について」は興味深い内容でした。

若者が上司に期待していることは、「自分の意見や考えに耳を傾けてくれる」が最も多く、20代では「具体的なアドバイスをくれる」が次に多い結果となっています。

この他、「公正・公平な評価をしてくれる」「明確な判断をしてくれる」「気分に浮き沈みがない」「いつでも相談に乗ってくれる」といった要素が上位に挙がっています。スーパーマンのような上司像ですね(笑)

食事や飲みにつれていってくれる上司を求めている若者は少ないのですが、これよりも低い項目がありました。それは、「仕事の成果にこだわる上司」です。

「仕事なんだから、成果にこだわるのは当たり前だろ!」と思う方もいるかと思いますが、若者は責任を取ることから逃げる傾向があるため、このような結果になっているものと思います。

また、日本能率協会の実施した理想の上司や先輩のアンケートはさらに興味深く、10年前と比較して、大きく変わった項目がありました。

10年前は「場合によっては叱ってくれる上司」は33.7%の支持がありましたが、現在は17.6%にダウン。さらに、「仕事の結果に対する情熱を持っている上司」は34.1%からなんと9.5%にまでダウンという結果に。

こうなると、若者にどう接してよいか分からなくなるかもしれません。そのような中、著者は上司や先輩が何よりも優先して鍛えるべきスキルを挙げています。

それは「フィードバック」です。

「ティーチング」や「コーチング」ではなく、若者の成果や力量に対する定期的な「フィードバック」です。

「フィードバック」の考え方として、著者は万歩計を例に挙げています。ただ歩くのではなく、万歩計があることで補強距離や所要時間が分かるので、自分のやっていることの成果が目に見えるようになるということです。

これを仕事にも置き換えて、若者がどこまで成長しているかを具体的に伝えていくというものです。

「フィードバック」の例が紹介されていました。

 

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「さっき会議で出してた資料の頭のところ、私としては読みやすくてすごく良かったと思う。あれ、誰かに教わったの?それとも自分で考えたの?」

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1.  フィードバックはなるべく早く

2.  フィードバックを返すポイントは具体的に

3.  褒め要素は「私」を主語とした形に

4.  ごく簡単な質問で終わる

5.  軽めのフィードバックを頻度高めで

 

ここで重要なポイントは4のごく簡単な質問を入れること。4がないと、褒められた若者も「何か返答しなきゃ」と変なプレッシャーをかけてしまうことになるので、そのプレッシャーを緩和する上で4が必要とのこと。

詳しい内容は書籍をご覧ください。

若者にはここまでやらないといけないのか?と感じる点はあるでしょう。 

ただ、若者がこうなっているのは、若者が育ってきた環境が影響しているだけであって、若者が悪いというわけではありません。

自分とは違う時代環境で育った若者と一緒に仕事をする上で、意識することは何か?と考えることが出来ればと思います。

今回ご紹介した『静かに退職する若者たち』はこちらからご覧いただけます。

 

また、著者の金間大介氏が、フィードバックを理解する上でおススメの書籍も挙げていたので、ご紹介しておきます。

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術


 

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