もう雑誌は終わったのか?

2026.09.03

① 「もう雑誌は終わった」と、何度言われたか分かりません

「雑誌なんて、もう終わりですよね」
この15年で、いったい何度言われたか分かりません。会う人、会う人に言われます。正直に言うと、言われるたびに、少しだけ胸がざわつきます。
私は『HIROSHIMA REFORM』というリフォームの雑誌を、15年、21冊つくってきました。だから雑誌の話になると、つい肩に力が入ってしまう。そういう立場の人間が書いている、と思って読んでいただければと思います。

② 正直に言うと、私も迷った時期があります

Webへの移行が進んでいるのは、事実です。名の知れた雑誌が次々に休刊していくのも、見てきました。「紙は終わる」という空気は、確かにあります。
だから、迷わなかったと言えば嘘になります。このまま紙を続けていいのか。時代に取り残されているだけではないか。夜、そんなことを考えた時期も、正直ありました。
でも、現場を回るうちに、少しずつ考えが変わっていきました。

「紙は終わる」という空気と、現場で起きている事実は、少し違っていました。

③ 「雑誌で見ました」と言うお客様が、まだいる

リフォームを考えるお客様は、実は60代前後の方が多い。この世代には、紙に慣れた方がたくさんいます。
手に取って、じっくり読める。家族と一緒にテーブルを囲んで見られる。気になったページに付箋を貼って、後から読み返せる。そして——ここが大きいのですが——「雑誌で紹介されている会社」というだけで、安心してもらえる。
きれいごとではなく、実際に「雑誌で見たので」と問い合わせをいただくことが、今もあります。450件以上の施工事例を取材してきて、私が肌で感じてきた事実です。

Webでは届かない人に、紙は届く。紙では届かない人に、Webは届く。ただ、それだけのことです。

④ 本当の問題は「紙かWebか」ではない

ここまで書くと、「やっぱり雑誌屋だから紙を勧めているんだろう」と思われるかもしれません。
でも、違います。私はWebもSNSもやっています。YouTubeもInstagramも、この文章を載せているブログも。だからこそ、両方をやっている人間として言えることがあります。
「紙は古い、Webは新しい」——この二択で考えるのを、そろそろやめませんか、と。
大事なのは、新しいか古いかではありません。あなたのお客様が、どの媒体なら情報を受け取りやすいかです。それだけです。
若い共働き世帯を狙う会社が、紙にこだわりすぎるのも違う。でも、地域の60代を大切にしている会社が、「流行だから」という理由だけで紙を捨てるのも、もったいない。

媒体は、流行で選ぶものではありません。届けたい相手で選ぶものです。

⑤ あなたのお客様は、誰ですか

「もう雑誌は終わった」と口にする前に、一度だけ考えてみてほしいのです。
自分たちが本当に来てほしいお客様は、どんな人か。その人は、ふだん何を見て、何から情報を得ているのか。
そこがはっきりすれば、紙かWebか、という悩みは、実はほとんど消えます。答えは流行の中ではなく、お客様の暮らしの中にあるからです。
私はこれからも、紙をやめません。でもそれは、紙が正しいからではなく、紙で届く人が、まだ確かにいるからです。同じ理由で、Webもやめません。

どちらかを捨てる時代ではなく、お客様に合わせて使い分ける時代だと、私は思っています。

平原充明

この記事を書いた人

平原充明|株式会社エフツー 代表取締役

2010年創業。広島県を拠点にリフォーム会社・工務店専門のマーケティング支援を行う。リフォーム雑誌「HIROSHIMA REFORM」の編集長として15年間・21冊を発行し、450件以上の施工事例を取材。紙とWebの両方を現場で使ってきた経験から、リフォーム会社の集客・情報発信を支援している。

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