① 実家をどうするか、まだ決めていない人がいる
実家の処分を考え始めた人が、最初から「売りたい」と決めているとは限りません。誰に相談すればよいか、何を確認すればよいか分からない。そんな段階で、まず話を聞いてほしいという人もいます。
先日、整理収納アドバイザーの方と話した際にも、この「結論を決める前の相談」が印象に残りました。売却、譲渡、解体など、結果として取る方法はさまざまです。しかし、その前には、状況と家族の考えを整理する時間が必要なことがあります。
② リフォーム会社にとって、すぐ仕事になるとは限らない
実家の相談を受けても、リフォーム工事が必要ないことはあります。専門家に相談した結果、建物を手放す方向になるかもしれません。判断までに長い時間がかかることもあります。
そのため、実家の処分相談を「新しいリフォーム受注の入口」と単純に位置づけるのは難しいでしょう。一方で、地域の住まいを長く見てきた会社なら、最初の相談相手になれるのではないか、という考え方もあります。
「相談を受ける」と「自社の工事にする」は、分けて考える必要があります。
③ 「相談を受ける」にも、三つの深さがある
最初に話を聞き、何に困っているかを整理する。次に、必要に応じて相談先となる専門家や事業者につなぐ。さらに、その後の判断や手続きまで伴走する。これらを同じ業務として考えることはできません。
それぞれに必要な時間、人材、責任が違います。話を聞ける会社であっても、売却や法律、税務について自社だけで判断できるわけではありません。専門外のことは適切な相手につなぐ、という線引きも大切です。
④ 地域の家守りとして、どこまで関わるか
相談に応じることが、すぐ売上につながるとは限りません。それでも、地域で住まいのことを相談できる会社でありたいと考えるなら、長い視点で取り組む意味はあります。
ただし、担当者の善意だけで続けるのは難しいでしょう。どの相談を受けるか、どこから専門家につなぐか、誰が対応するか、どれくらい時間を使えるか。経営として範囲を決めておく必要があります。紹介して終わることも、お客様にとって適切な結果なら価値のある対応です。
⑤ 受けるべきかより先に、担える役割を決める
すべてのリフォーム会社が実家の処分相談を事業にすべき、という結論は出せません。自社の専門性、地域での役割、連携できる相手、対応にかけられる時間によって答えは変わります。
まずは「話を聞く」「整理してつなぐ」「最後まで伴走する」のどこまでなら責任を持てるかを考える。そのうえで、相談者には自社でできることと、できないことを伝える。地域の家守りという言葉を、実際の仕事として考えるための出発点ではないでしょうか。
一律に「受けるべき」と決める前に、自社が責任を持って関われる範囲を明らかにしましょう。

この記事を書いた人
平原充明|株式会社エフツー 代表取締役
2010年創業。広島県を拠点にリフォーム会社・工務店専門のマーケティング支援を行う。リフォーム雑誌「HIROSHIMA REFORM」の編集長として15年間・21冊を発行し、450件以上の施工事例を取材。集客の分析・見直しを、現場の経験をもとに支援している。
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