相続セミナーのテーマ設定|誰のどんな疑問に答えるか

2026.09.29

① 「相続セミナーを開く」だけでは、内容が決まらない

先日、ある司法書士の方から、大手ハウスメーカーに相続セミナーを依頼されることがあるものの、期待した結果にならないこともある、という話を聞きました。個々のセミナーの成果を評価する話ではなく、企画の立て方について考えさせられる経験談でした。

「相続」はとても広い言葉です。何を知りたい人に、どの疑問の答えを持ち帰ってもらうのかが曖昧なままでは、講師も内容を絞りにくくなります。

② 同じテーマでも、参加者の知りたいことは違う

例えば、子どもがいるご夫婦と、子どもがいないご夫婦では、住まいや財産の引き継ぎについて知りたいことが違う場合があります。すでに家族で話し合っているか、まだ何も決めていないかによっても、聞きたい話は変わるでしょう。

司法書士の方が話していたのも、参加者の状況がまちまちなのに、一つの講座で全員の疑問に答えようとする難しさでした。家族構成だけで必要な情報を決めつけることはできませんが、参加者をひとまとめにしないことは重要です。

「相続に関心がある人」ではなく、どんな状況の人の疑問に答えるのかを考えましょう。

③ 広く説明するほど、聞き手には遠くなることがある

多くの人に当てはまる話をしようとすると、どうしても総論が増えます。専門家にとっては正確な説明でも、参加者にとっては「自分の場合、何を確認すればいいのか」が見えないまま終わるかもしれません。

もちろん、相続全体を知る入門講座が必要な場合もあります。問題は広いテーマそのものではなく、主催者が期待する成果と、参加者が持ち帰りたいものが合っているかどうかです。参加人数だけで成功を判断しない視点も必要でしょう。

④ 専門家に依頼する前に、主催者が決めること

「相続について話してください」と講師に依頼する前に、主催者が参加者像と講座の目的を整理します。誰に参加してほしいのか。その人は何に迷っているのか。聞いた後、何を確認できるようになってほしいのか。

この問いが決まれば、専門家も話す範囲や事例を選びやすくなります。すべてを一度の講義で説明しようとせず、講座で扱うことと、個別相談で聞いてもらうことを分ける方法もあります。

⑤ 「誰の何に答えるか」から企画する

テーマを絞れば、必ず集客や相談が成功するわけではありません。しかし、誰に向けた講座かが明確になれば、告知の言葉も、話す内容も、終了後の相談の案内も考えやすくなります。

専門家に頼む前に、参加者が抱える疑問を一つ書き出してみてください。セミナーで答えるべきことが、そこから見えてくるはずです。

セミナーの企画は、「何を話すか」より先に「誰のどんな疑問に答えるか」を決めることから始めましょう。

平原充明

この記事を書いた人

平原充明|株式会社エフツー 代表取締役

2010年創業。広島県を拠点にリフォーム会社・工務店専門のマーケティング支援を行う。リフォーム雑誌「HIROSHIMA REFORM」の編集長として15年間・21冊を発行し、450件以上の施工事例を取材。集客の分析・見直しを、現場の経験をもとに支援している。

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